駐車場になっていた小学校の校庭は、もうすっかり暗くなり、車の影も少なくなっていた。交通規制はもう解かれていて、盛大なライトと熱気に包まれていたメインスタンドの前を、車が通りすぎる。今はもう、この周辺で明るいのは、ネオン街の一角だけになった。それもずいぶん、寂れている。

僕らはまた、車に乗り込んで路上に出た。妹は後部座席、明日菜ちゃんがギターを抱えなおして、助手席に座る。来た時と違うのは、それぞれの手に缶ジュースがあることぐらいだ。アーケードを出て、横断歩道を渡るとパチンコ屋があって、その壁にズラッと自動販売機が並んでいた。明日菜ちゃんがその中から、お目当てのジュースを探し当て、同じ自動販売機で僕はコーヒーを、妹はラムネを買った。

駐車場を出て、もと来た道を引き返す。一度祭りの喧噪を離れると、あっという間に車はまばらになる。

大きなショッピングセンターの横断歩道を右に折れて、細い路地のような道に入る。そこからくねる道を行って、住宅街に入ると、そこの外れに明日菜ちゃんの家がある。

 

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