「なんとなくテレビや、インターネットの掲示板で云ってることの、すべてが本当の気持ちというか、あの地震の悲しみとか、そういうことをミス・リードしている気はしたんだけど、だったらその本当ってなんだ?ってこれはもう曖昧で。

だけど、ふと、初心に返って、じゃないけれど、あいつ過去の動画を引っ張り出してきて、こういうヘヴィな音楽に浸りたい人もきっといるよね、という話をしたんだ。否定的な意見ばっかりが先行して、でも現実はそれと裏腹なことばかり起きて、どちらもネガティブで堂々巡りなんだけど、それを断ち切る衝動、みたいな感じで、こういうヘヴィな音が必要な時代なのかも、なんていうんだ。

その時、正直忘れていたんだよな。こういう音を必要としていた時代というか、年頃というか。さっき云ったみたいに、その時々、シチュエーションに寄り添う音っていうのかな、そういうモノを見つけて、聴いたり演奏することで、少なくともいくらかの溜飲を下げることが出来たんだよ。

今、いろんなモノが閉塞して、生きるのがつらい時代だけど、それに寄り添うモノが見つけられないから、そう感じちゃうんじゃないかな、と思って。だから、俺たちの原点はここだろうね、って云うんで、久しぶりに聴きだしたんだよ」

 

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