スマートフォンで、ブラウザを開くと、最初に出てくるのはニュースサイトだった。別に自らそうしているわけではなく、元々そういう設定だったのを換えていないだけだ。カメラの使い方や、文字の打ち方には慣れたけれど、それ以外の機能はまだ中途半端だ。ネットも、そんなに繋がない。ブログの記事を上げるぐらいだ。

ニュースサイトでは、おおざっぱにジャンル分けされていて、政治や、スポーツ、金融と並んで最後に芸能ニュースがあった。そこのトップに、私の名前があった。続けて何件か、同じようなニュースが並んでいる。大元の雑誌の記事と、事務所の対応、そして、メンバーの反応、みたいなもの。

メンバーの話を開いてみたら、ずらっとコメントが並んでいた。みんな驚いているとか、心配しているとか、同じようなことを云っていた。だけど、どこか上滑りな感じがして、居心地が悪かった。

本当に、メンバー自身が話しているのかどうかわからないけれど、そのほとんどが、私の所には直接届いてはいなかった。何人かは、私と直接話してから、とコメントを避けているけれど、そのメンバーから私にはなんのアクセスもなかった。

どうせ雑誌や新聞の記者が、適当に書いているのだろうと思った。みんながみんな、知らないわけではないし、普通に会話して普通に接している。だけど、一致結束とか、篤い友情とか、そういうのは、少なくともプライベートを浸食はしていない。仕事になると急にうるさくなるけれど、グループを離れるとまるで、音沙汰がない。

それが普通は気軽でいいんだけど、こうなると少し寂しくなる。ただ、見え透いた中身のない台詞も、この際寂しさを際だたせるんだろうけれど。

 

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