ある日突然、私はポーンと突き落とされた。

終わる間際に相当、取り乱しはしたけれど、終わった後にはその恋を忘れさせてくれるだけの、忙しさと華々しい舞台が待っていた。

ご褒美だと思った。恋が終わったかわりに、手に入れた成功だと思った。

成功が何もかも、忘れさせてくれた。

でも、現実はそう上手くは転ばなかった。忘れたのは私だけで、忘れさせた人は覚えていた。

全く皮肉な話、だと思った。

 

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