家に帰ると、簡単な夕食が用意されている。僕は電子レンジでそれを温めて、自分の部屋で食べる。両親は早くに他界して今は仏壇の奥で仲良く暮らしているが、出戻りの二つ下の妹がいて、とりあえず飯の支度は担ってくれている。

一号は宇多津の旧市街地の隅にあるアパートで、女の子と暮らしている。宇多津のビブレで販売員をしているユキという名前の女の子は、未だ大学を出たばかりで、それなのに仕事と一号の面倒を丁寧に見ている。一号と知り合ったのは、三年ほど前になるのか、以前のアルバイト先か何かで知り合ったのだと本人から聞いた。

一号は名古屋出身で、そこで僕と知り合ったのだけど、実家に帰ることになった僕に何故か着いてきた。ここら辺のことが、今になってはもう記憶も曖昧で理由も思い出せないのだけど、実家に部屋が余っているからとか、そういう感じで、とにかくその頃実家に住んでいた一号が、実家を出たくて僕が渡りに船だったというような、そんな感じだったような気がする。

次へ