めざとく一号はそれを見ていた。

「想像した?でも、寄せ乳だよ」

こういうのを口が悪いというのか、やはりデリカシーがないというべきか?ユキちゃんはきっと、一号の深い部分を知って、今でも一緒にいるんだろうけど、表面的な品のなさを知っているんだろうか?

僕は、と思いかけて、やはり、と思い直す。純粋なモノを抱えた野蛮人と、野蛮なモノを抱えた純粋なやつ、果たしてどちらが受け入れやすいのだろうか?イヤ、この際、ユキちゃんはどちらが好きなんだろう?

まぁ、自分がどちらだという自信もない。僕はいずれにしろ、一号よりはずっと、中途半端なんだ。何か一つでも、純粋に、ひたむきになりたい。あるいは、徹底的に野蛮に生きてみたい。でも、僕は血の匂いが苦手なので、純粋であり続けることを求めるべきなんだろうな。

「そうだ、歌を作ろう」

いいね、と一号が即答する。来週までに何か考えておくよ、と僕が言うと、一号は楽しそうに乗っかってきた。

「それってやっぱり、あの寄せ乳の彼女の歌?ビッチ的な?寄せて〜あげて〜みたいな感じ?」

そう言ってとても下卑た笑いを浮かべる。結局、一号はこういう悪のりがただ好きで、それだけで生きているのかもな。ユキちゃんもきっと、勘違いをしているに違いない。

僕は苦笑しながら、首を振った。そして、声には出さずに、胸の内で応える。

 

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